花粉症(アレルギー性鼻炎)

2011年の花粉飛散量は、昨年の猛暑の影響で雄花の生育が良く、昨年の2~10倍にもなると予測されています。スギやヒノキの花粉の飛散は、中国・四国地方は2月中旬、近畿地方は2月下旬となるようです。

花粉症を発症すると、くしゃみ、水鼻、頭痛、睡眠不足などなど起き、集中力をかいて仕事や勉強に支障を来たします。誰がいつ発症してもおかしくない花粉症について調べたいと思います。

私も30代からずっと花粉症に悩んでいましたが、ここの所治まっています。老化したのか、でも症状がでないことの方がありがたいです。

国民の2~3割がスギ花粉症と推定されています。馬場広太郎・独協医大名誉教授らによる2008年の全国調査では有病率が約27%、10~50代では30%を超えました。5~9歳でも約14%で、1998年の同様の調査の1.8倍に増えているようです。

花粉症(アレルギー性鼻炎)の症状

花粉症の症状は、くしゃみ、鼻水、鼻づまり、目の縁のかゆみなどで始まります。こんな状態が続くと、夜もぐっすり寝られなくなり頭痛、頭重感、睡眠不足が出てきます。

私の場合、朝目が覚めたとたんに、「ハックション」の連発でした。昼間でも寒いなあと感じると、「ハックション」と、くしゃみが出ていました。

水鼻が出続けるので、ティッシュで拭くと、鼻の下が赤くなりました。今は、皮膚に優しいウエットティシュなどが出ていますね。私は、花粉症は時期が過ぎれば治まると、黄色い粘った鼻水でも我慢していて、とうとう副鼻腔炎になった経験があります。完全に治り再発はしませんでしたが、治療に相当時間を要しました。皆さんも、こじらせることなく、早めに受診してくださいね。

夜寝ると、今度は鼻づまりで両鼻が詰まると、口を開けて寝ざるを得ません。そうすると、喉が乾いて大変です。喉が渇くと風邪も引きやすくなるし、虫歯もできやすくなります。熟睡できないのが辛いですね。負の連鎖が思わぬ所へ繋がっていきます。

緊張状態の時には、アドレナリンが亢進していて鼻の粘膜が収縮し、酸素を取り入れやすくなっていますが、夜になると鼻が詰まってしまいます。

花粉症の症状は、くしゃみ、鼻水のように15分くらいで起きる即時相反応と、鼻づまりのように6~10時間後に起きる遅発相反応に分けられます。昼間に花粉を浴びると、寝る頃になって鼻が詰まって寝られなくなります。

花粉症の歴史

スギ花粉症が学会で発表されたのは、1963年だそうです。1976年、1979年に関東で大量の花粉が飛び患者が急増し、多くの人に花粉症が知れ渡りました。

スギ花粉、飛散開始予測、2011年

日本気象協会は1月20日、今春のスギ花粉の飛散開始時期が、四国地方では2月中旬、中国地方は2月中旬~下旬、近畿地方では2月下旬、東北地方では3月上旬~中旬になると発表しました。

いずれも例年より10日ほど早いそうです。花粉飛散量は、昨年の猛暑の影響で雄花の生育が良く、昨年の2~10倍にもなると予測されています。京都府では10倍を超える地域もあると予測されています。

花粉症のメカニズム

  1. 花粉が鼻の粘膜に着き、体内に侵入します。
  2. 体内で抗原を提示する細胞がリンパ球と一緒に働き、抗原が異物であることを記憶し、IgE抗体を作ります。
  3. IgE抗体は、目や鼻の付近にあるマスト細胞の表面に付着します。
  4. マスト細胞表面にIgE抗体が付着し、花粉症の準備状態が整います。これを「感作」と言い、体内に同じ花粉・抗原が侵入すると、マスト細胞に付着した抗体に結合します。
  5. 抗原が結合したマスト細胞は、ヒスタミンなどの物質を放出し、これによって神経や血管が刺激を受けて、様々な症状を引き起こします。

花粉が環境汚染で活性化

都市部の花粉には、環境汚染物質(アジュバンド物質)がくっついていて、この物質の影響で体が不適切な活性化を起こし、過剰反応することで、アレルギー疾患を悪化させているそうです。

環境汚染物質(アジュバンド物質)は、代表的なものがディーゼル排気微粒子で、他にはホルムアルデヒド、プラスティック容器の可塑剤などがあります。

花粉などのアレルゲンと環境汚染物質(アジュバンド物質)は、別々に投与しても過剰に反応するケースもあるようです。

アレルゲンとしての花粉の量だけでなく、環境汚染物質(アジュバンド物質)と共存することで、アレルゲンの質が変化し、花粉症や他のアレルギー疾患はもっともっと現代人の脅威となっています。

今後は、量、質、毒性影響からくるかく乱影響、単独汚染から複合汚染への影響の変化に注意していかなければならないそうです。

どんな人が花粉症(アレルギー性鼻炎)を発症しやすいのか

  1. 家族に花粉症楽天 の人がいる
  2. 別のアレルギーやアレルギー疾患がある
  3. 花粉に対してIgE抗体を持っている

上記に当てはまる人が花粉症を発症しやすいそうです。

スギの花粉が増えたこと、衛生状態が良くなり赤ちゃんの時の感染症が減ったことが、花粉症が増えたことの一因となるようです。

花粉症患者は、30~40歳代の女性に最も多く、この年代の約4割の人が、花粉症に罹っているとの統計があるようです。

IgE抗体は、0.7以上だとアレルギーとみなされます。0.34から0.7までが予備軍となります。

花粉症(アレルギー性鼻炎)の予防

花粉を浴びないようにすることが、効果的です。そして、花粉症になってしまったら、早めに専門医にかかり対処することです。

花粉の種類は様々で、春のスギ、ヒノキ、初夏のカモガヤ、秋のブタクサ、ヨモギなどがあります。

外出時は、マスク、メガネ、帽子、コートなどを着用し、家の中へ花粉を入れないようにします。また、洗濯物も、外に干さないようにします。マスクの外側に吹きつけて花粉を付きにくくするスプレー、マスクの内側を除菌・消臭するスプレーなどが売れているそうです。

レンコンには、抗アレルギーのポリフェノールがあり、6割の人に改善がみられました。下記にレンコンを使った簡単な料理法も載せていますから、作って食べてくださいね。

室内での花粉症対策

  1. 花粉を持ち込まない・・・帰宅時は、服やかばんについた花粉を玄関の外で、はたきで静かに落とします。
  2. 舞い上げない・・・床掃除は早朝、モップや粘着ローラーで。特に玄関付近の床に花粉がたまりやすいので、念入りに掃除してください。
  3. 洗濯物に注意・・・外に干す場合には、取り込む前に掃除機で表面を吸い取ります。

風邪と花粉症の見分け方

花粉症の場合
  • 頻繁にくしゃみが出る
  • 透明でサラサラの鼻水が出る
  • 目にかゆみがある、涙目になる
  • 雨上がりに症状が強くなる
風邪の場合
  • 鼻水は最初はサラサラでも次第に粘くなる
  • 喉の痛みや発熱がある
  • 上記の症状も数日で改善する

子どもの場合、花粉症と思っていたら、副鼻腔炎だったというケースも少なくないようです。適切な治療を受けるためには、早めに専門医を受診することが大切です。

花粉症(アレルギー性鼻炎)の検査

IgE抗体検査
血液を取り、花粉に対してのIgE抗体を測ります。数日かかるそうです。IgE抗体がどの物質に対して過剰反応するのか、スギ花粉、ブタクサ、イネなどで調べます。他のアレルギー(ハウスダスト、動物の毛など)も同時に検査できます。この検査は自費になります。
皮膚テスト(スクラッチテスト・皮内テスト)
スクラッチテストは皮膚科で行われる方法で、針で皮膚の表面を引っかいて(スクラッチして)傷をつけ、そこに花粉エキス(アレルゲン)をたらして反応をみます。皮内テストは花粉症のアレルゲンを直接皮内に注射をしてその反応で花粉症かどうか調べます。
鼻汁好酸球検査
鼻水をスライドガラスにとって好酸球の数を顕微鏡で見るものです。好酸球は、白血球細胞の一種で、アレルギー反応が起こっている血液中や鼻水の中などに大量に集まる性質があります。好酸球はアレルギーが起きると増えます。

自分が、どんな花粉のアレルギーを持っているのか知っておくと、花粉の飛ぶ時期に対処できます。複数の花粉にアレルギーがある場合もあります。

花粉症(アレルギー性鼻炎)の治療と治療費は

花粉症の治療は、抗アレルギー薬とステロイド・副腎皮質ホルモンの点鼻薬を併用するのが一般的だそうです。昔は1ヶ月前から花粉症の薬を飲んでいましたが、今では早くから飲む必要はないそうです。

花粉が飛び出した頃や、症状が出始めた頃からで良いそうです。病院によっては、1ヶ月分の薬を出してくれる所もあるようです。しかし、こまめな薬の調整が必要な場合は、もっと通院が必要かもしれません。

眠気の少ない薬をシーズン中、2ヶ月間計4回通院し、2週間分を院外薬局でうけると、診察なども含めての自己負担は、3割負担の人で、約1万円かかるようです。

軽症の場合
抗ヒスタミン薬。鼻づまりなどで寝苦しくなる人は、蒸しタオルで30秒ほど鼻を温めると辛さがやわらぎます。
中等症の場合
中等症の鼻水・くしゃみ型では、抗ヒスタミン薬と鼻噴霧用ステロイド薬の併用。中等症の鼻づまり型・充全型では、さらにロイコトリエン受容体拮抗薬を加えた3剤を使います。

ロイコトリエン受容体拮抗薬を夕食後に服用すると、良い状態で夜を迎えぐっすり眠れるようです。

鼻の粘膜を焼く、最新レーザー治療法・MLLT(光融合型レーザー法)

鼻の粘膜を焼く手術には、炭酸ガスレーザー手術と、アルゴンレーザー手術などがあります。

今までのレーザー治療は、800℃の温度で、両鼻の粘膜を40~50分かけて完全に焼いていました。そうすると焼いた部分が傷ついて、治療後に鼻水や鼻づまりが約半月間おきていました。

最新のレーザー治療法(MLLT)は、従来のレーザー治療法をさらに改良した、光融合型レーザー法で、40~60℃の熱で粘膜が破壊されるギリギリの手前で止めます。両方の鼻で約2分で終わります。3~7日で効果が実感できるという即効性があります。そして、効果は、以前の時間をかけて焼いていた時と同等ということです。1~2年の効果があります。保険適応で約7000円ということです。

このレーザー治療法(MLLT)は、子どもや妊婦さんにもできるようですが、医療機関や患者さんの状態によっても可否があります。ペースメーカー使用者は注意が必要です。また、当分は飲酒や運動は控える必要があります。設備の整った医療機関でのみ行われています。

シーズン前にレーザーで鼻の粘膜を焼く治療は、通院を含めて約1万円程度で、薬も時々使うそうです。効果は1年ほどでなくなります。

鼻の矯正手術

鼻の矯正手術とは、鼻中隔が曲がっている人・鼻中隔湾曲症の人に行われます。鼻中隔の軟骨を抜く手術もあるようです。

手術は、花粉の時期を避ける方が良いそうです。手術で粘膜が傷つくからです。

減感作療法

減感作療法(花粉エキスを濃度を上げながら、しだいに体を慣れさせます)は、通年の治療で、2、3年続ければ、他の治療法より効果が高いようです。最初の検査に3000円、注射1回当たり診察も含めて700円程度かかります。1年目は最初の4、5ヶ月は週1回、その後は2週間に1回の通院、2、3年目は1ヶ月に1回に減るそうです。

舌下免疫療法

舌下にスギ花粉を入れて体を慣らしていくものです。

食パンを小さくちぎり、その上にスギ花粉エキスを垂らします。舌下にこのパンを入れて、2分おきます。そしたら、パンを出して終わりです。1日1回約1年間続けるそうです。

口から継続的にスギ花粉を入れることで、IgE抗体を抑制する物質が出てくるそうです。

300例の内8割の人に症状の改善が表れました。この舌下免疫療法は、日本では今のところ自由診療で、健康保険がききません。

日本医科大では、142人に実施し、8割の人が改善したそうです。横浜市都筑区にある都筑メディカルクリニックでもSLIT(スリット)減感作療法(舌下減感作療法)が行われています。

フランスでの舌下免疫療法(SLIT・スリット減感作療法)

フランスでは、5人に1人が花粉症だそうです。フランスでは、体質改善をする薬が作られています。花粉から抽出したエキスで、自分に合ったオーダーメイドの薬が作られるようです。

ある人は、ブタクサとシラカバを混合したエキスをスポイトで口に入れて、2分待ちます。1日1回約1年間続けるそうです。

SLIT(スリット)減感作療法とは舌下減感作療法の事です。注射をしない減感作療法として欧米の4割以上の施設で行われている花粉症、アレルギーの最新治療だそうです。

SLIT(スリット)減感作療法は、病気を治し、副作用も少なく、高い治療成績が期待出来るようです。治療は自宅で簡単にでき、通院も3~4週間に一度ですむそうです。

症状が出る直前からの治療

繰り返し花粉を浴びると鼻の粘膜が過敏になります。初期療法を受け、ヒスタミンなどの化学伝達物質を抑えることで症状を抑えることができます。

さて、直前とはいつのことですか。

少しでも症状が出たら、またお住まいの地域に花粉が飛び始めたら、初期療法を始める時期です。

花粉症の治療薬

内服薬
抗ヒスタミン薬、副腎皮質ホルモン剤(ステロイド)など。
点鼻薬
抗アレルギー薬、抗ヒスタミン薬、血管収縮剤、副腎皮質ホルモン剤(ステロイド)など。点鼻ステロイド薬は、ステロイドの副作用がほとんどありません。今では1日に1回鼻の中に噴霧すると、1日中効果が続く薬が出ています。液体だけでなく、刺激の少ない粉末製剤もあるようです。専門医と相談して決めてください。指示通り、継続的に使用することが大切です。
点眼薬
抗アレルギー薬、抗ヒスタミン薬、副腎皮質ホルモン剤(ステロイド)など。

薬の副作用

抗ヒスタミン薬の第二世代は、眠気などが少ないようです。しかし、車の運転には気をつけてください。肝障害などの副作用もあります。

点鼻薬のステロイド薬は副作用は認められません。が、たまに鼻血を訴える人があるようです。

鼻噴霧用ステロイド剤は、鼻づまり、くしゃみ、鼻水、目の症状にも効果があります。毎日使うことで効果が出ます。注意点としては、鼻中隔には血管が詰まっているので、小鼻の少し外側に向けて噴霧すると鼻血を出さないことにつながります。

花粉症とレンコン・蓮根

花粉症の人23人に、レンコンエキスを3ヶ月飲んでもらう実験を和合先生がされました。レンコンには、抗アレルギーのポリフェノールがあり、6割の人に改善がみられました。

花粉症歴5年の人が、レンコン40gを煮出したエキスを飲み、12日後に症状がなくなったという報告もあります。

レンコンの皮の部分にポリフェノールが多いので、皮をむきません。そして、洗いすぎると水にとけるし、アクも抜きません。

花粉症を抑えるレンコン料理

レンコンギーザ
レンコンを皮付きのままビニール袋に入れ、めん棒で叩きます。ギーザの種にこの叩いたレンコンを入れます。ひき肉、ネギなどとともに種にします。
レンコンお焼き
レンコンをすりおろし、えび、片栗粉、塩で生地を作り焼きます。お焼きの上に大根おろし、刻んだ青ジソを乗せます。
レンコンと豚肉のとろーりスープ
豚肉、塩とたたきレンコン(ギョーザの時より大きめに砕く)を昆布だしを入れた鍋の中へ入れます。ポリフェノールは熱に強いです。コショウ、ネギを入れます。
ほっくり焼きレンコン
レンコンにオリーブオイルを塗り、塩をして15分焼きます。荒挽きコショウをふりかけます。
シャキシャキ梅ジャコレンコン
レンコンは薄くスライスしておきます。ごま油でちりめんじゃこを炒め、レンコンを入れます。梅干2個を入れます。お酒を入れて3分蒸します。梅干をつぶしすりごまを入れます。
キキョウの花
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Author:Tomoko Ishikawa Valid HTML5 Valid CSS

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更新日:2020/03/15