中島プロペラ(株)

中島プロペラ(株)は、岡山県でも技術力のある会社として有名です。この度NHKの「ルソンの壺」で取り上げられていました。

詳しく取材されていたので、ここにまとめたいと思います。中島プロペラ(株)は、船のプロペラをオーダーメードで作り上げています。変わった製品としては、医療部品の人工関節も作っています。

中島プロペラとは

中島プロペラ(株)・岡山県岡山市東区上道北方688-1の社長は中島基善さんで、売り上げは226億円、社員は413人だそうです。船のプロペラをオーダーメードで作っています。日本のシェアの8割、世界のシェアの3割を占めています。

ハイテクと職人技の両方で船を動かすが、モットーのようです。良いプロペラとは、船とエンジンとプロペラの3つが合わされて最適なものになると、社長は言っていました。最適なものが、最高になるようです。

100万個以上が、1品受注製品で作られています。

プロペラの開発

船のプロペラは、船の大きさや用途に合わせて作られます。一番大きなプロペラは、32万トンのオイルタンカー用のプロペラで、直径が10m、75トンという巨大な物になります。

競艇のレース用のプロペラは、2枚の翼で、翼も小さくして早さを追求しています。クルーザーや漁船用のプロペラは、3~4枚の翼で、翼の表面積を大きくし耐久性を持たせるようにしてあります。

プロペラが回転する時に気泡がたくさん出ると、楽天 に振動が出ます。また、泡でプロペラの表面が損傷します。泡の発生をコンピューター上でシュミレーションし、設計の段階で修正するそうです。

プロペラの作り方・工程

大型のプロペラは、全てオーダーメードとなります。

鋳型は、砂で手作りされます。その鋳型に銅合金を流し込み原型ができあがります。次に翼の表面を自動的に削っていきます。

最後には研磨歴39年の職人さんが、精度1/100mmに仕上げます。専用工具を使って1回に0.02mmずつ削っていきます。手で確かめて削っていくのです。このミクロの仕事をこなすまでに最低でも20年はかかるそうです。

船が古くなると、プロペラも新品の時の物は使えません。古くなった船の状態に合わせて、最適なプロペラを作っていくのです。バランスが大切なのですね。

不況が生んだプロペラ革命

昭和40年頃は、中島プロペラ(株)は、国内第2位のシェアでした。ところが、昭和48年、オイルショックで新しく船が造られなくなりました。

そこで、技術開発に力を入れることにしました。物を運ぶために船は必需品であり、必ず新しい船が造られる時が来るという強い信念を持っていたからでした。ピンチの時こそ、チャンスと社長は言い、オイルショックの2年後、売り上げの2割を設備投資に当てたと言われています。

そして、世界一はこうあるべきと言う思いを持ってやっていかないとできない、とも言われていました。

ハイスキュープロペラ
騒音や振動を大幅に減らせるプロペラです。角度が命で、2年の試行錯誤の末にできあがりました。昭和56年に完成しました。本当に静かなプロペラだねと、試運転した機関長が感心したそうです。
二重反転プロペラ
2枚の翼が逆に回転します。この二重反転プロペラは、周りの水を回転する力がムダなく使え、燃費が1割ほどよくなります。そして、船の操作性もよくなります。

人工関節の製造

23年前に会社の見学に来ていたお医者さんが、曲面加工、研磨、自由曲面などの技術がある中島プロペラなら、人工関節も作れるだろうから、ぜひ作って欲しいと言われたそうです。欧米からの輸入品の人工関節を使うと、日本人には大きすぎて合いにくいということでした。

今では、膝、足首、肘などの5種類の人工関節を作っています。年間18億円を売り上げています。

いすの生活である欧米の人工関節(90度曲がればよい)とは異なり、日本人に合うように135度曲がる膝関節を作っています。

2008年には、ナカシマホールディングスを核とし、グループ再編されました。メディカル事業部を分社して、ナカシマメディカル株式会社を設立しています。

今後の開発

今後は、プロペラを利用して、潮流発電をやっていきたいと中島基善社長は言っていました。

新しいエネルギーの開発に期待しています。周りを海に囲まれた日本は、潮流発電でエネルギーを生み出したいものです。

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Author:Tomoko Ishikawa Valid HTML5 Valid CSS

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更新日:2020/03/15