福島第一原子力発電所の事故

2011年3月11日、午後2時46分、マグニチュード9.0という、とてつもない巨大地震が東北・関東地方太平洋沿岸を襲いました。

その後の津波により、福島第一原子力発電所の事故が起き、日本は今までに経験したことのない災害に見舞われています。

東日本大震災後、少し時間が経った3月30日に池上彰さんの「学べるニュース」を見ました。福島第一原子力発電所の事故について池上さんは、分かりやすく解説してくれました。

福島第一原子力発電所の原子炉

福島第一 には、1〜6号機まで6つの原子炉があります。東日本大震災の起きた当時、1〜3号機は原子炉が可動していました。4〜6号機は停止中でした。

福島第二原子力発電所の、1〜4号機は正常に止まりました。福島第一原子力発電所と福島第二原子力発電所との距離は11kmで、福島第一原子力発電所が北側にあります。

福島第一原子力発電所の1号機は、アメリカ産で1971年3月に可動しました。2号機、3号機は日本製で、2号機は1974年7月に、3号機は1976年に可動しました。4号機、5号機は1978年に、6号機は1979年に可動しました。どの原子炉も30年以上も使われてきた古い物と言えます。

第一原発の事故の原因は

東日本大震災という地震学者、気象庁などその分野の専門家さえ予想しえなかった巨大地震が現実に起き、その後に予想しえなかった巨大津波が襲いました。

地震での家屋の倒壊は、マグニチュード9.0という大きなものにしては少なかったようです。しかし、想像を超えた巨大津波には、多くの人々や家や車、船、田畑が飲み込まれてしまいました。

巨大津波による海水による浸水などで、燃料タンクが破壊され、非常用発電機が壊れてしまいました。福島第一原発の事故の原因は、巨大津波によって非常用発電機が動かず、原子炉を「冷やす」と言う大切な仕事ができなくなったことです。

その後の放射能漏れなどを考えると、地震の影響による亀裂なども事故の原因と考えられるようです。

東京電力の不備

東電を退職した役員の方が、福島第一原発事故の原因についてテレビで語っていました。

東京電力は、一企業です。会社は儲けなくてはならず、原子力発電所が止まると、多大な赤字を出すことになります。

そこで、原子力発電所を止めないようにと、たくさんの機器の一つ一つに細かなルールを作り、機器の管理に力を注いでいたそうです。

原子力発電は、絶対に安全という思いと、日本では原子力発電所事故は起きないという思いを東京電力は、持っていたそうです。

そして、大局的な目を持たず、安全対策がおろそかになっていました。大きな地震が来たら、第一の対策を、第一が使えない時には第二の対策をというシュミレーションができていなかったと思われます。地震が来たら大津波が来て、その対策はどうするということも、想定の範囲内でしか考えられていませんでした。

地震大国日本の地面の上に建っているという意識が、日本人全ての人から失われていたとしか言いようがありません。

一部の地震学者の人達は、原発は地震には不備であり、とても危険であると訴えた人もいたらしいけれど、経済性を重視していた人々は、聞く耳を持ちませんでした。2011.12

非常時の安全対策

止める

原子炉の非常時の安全対策は、1止める、2冷やす、3閉じ込めると、言われます。原子炉は、震度5を感知すると自動停止するように設定されています。今回も「止める」という行為は成功しています。

「冷やす」という行為は、残念ながら失敗しました。福島第一原発は、海抜5mの所にあり、5mの津波に耐えられるように作られていました。しかし、実際に来た巨大津波は、14mを超えたと言われます。

原子炉が止まって核反応が終わっても、燃料棒の中に詰まっている物質がエネルギー(崩壊熱)を出しながら安定していきます。1%の崩壊熱で1万kwだそうです。1週間で半分以下になるそうです。

冷やす

炉内は、70気圧で208度の蒸気があるようです。高圧ポンプで水を入れて、中の圧力を少しずつ下げていきます。

原子炉を冷やすために、外から海水を入れました。当初は、何がなんでも冷やすためにやむをえず海水を入れました。潮が沸騰し、下に塩がたまってきます。塩が悪さをするので、その後は淡水に切り替えていれています。

水素爆発
燃料棒が海水から出てしまって、水が分解され水素が出て、水素が上にたまり、水素爆発が起きました。燃料棒は3年使った後は、使用済み燃料棒として、使用済み燃料プールの中で保管されます。

「冷やす」ために、陸上自衛隊の中央特殊武器防護隊や東京消防庁のハイパーレスキュー隊などがヘリで上空から水をまきました。また、米軍のはしけ船が水を運んでくれました。

閉じ込める

被曝
3号機で被爆者が出ました。ここはプルサーマルを使っています。原子炉を収めている格納容器に亀裂が入りました。バルブ、配管のシールが破れたそうです。

冷やせない、高温になった、閉じ込めることにも失敗、被曝者が出ました。

たまった水をどうするのか

6000トンもの水の処理をどうするのか、そしてその水は、放射性物質を含んでいます。

住民への避難指示

3月12日、福島第一原発から半径20km以内の人へ避難指示が出ました。

3月15日、福島第一原発から半径20〜30kmの人へ屋内退避の指示が出ました。

3月25日、福島第一原発から半径20〜30kmの人へ自主避難の指示が出ました。この自主避難の指示は、自主避難を希望する住民の増加、商業・物流の停滞による生活の困難、今後避難指示を出す可能性があることなどから、出されました。

原発とは、

ウラン238が約97%、ウラン235が約3%という割合です。そして、ウラン235が核分裂してエネルギーを出します。

使用後はウラン238が約95%、プルトニウム約1%、生成物約3%、ウラン235約1%という割合に変化します。

日本が保有するプルトニウムは、27,3トンです。プルトニウムは、核兵器が作れるので、世界から日本は核兵器を作るのではないかと疑われます。そこで、プルトニウムを燃料棒として使うようになりました。ベルギーでは1963年からプルトニウムを燃料棒として使い始めました。

日本のプルサーマル

日本のプルサーマルは、4箇所で行われています。福島第一原発3号機、福井美浜原発3号機、四国伊方原発3号機、九州玄海原発3号機となっています。

核燃料リサイクルは、うまくいきませんでした。高速増殖炉のもんじゅの事故、トラブルがあいついでいます。

核のごみの最終処施設である青森の六ヶ所村では、しばらくの間おいておき、しかるべき場所へ閉じ込める予定です。

プルサーマルの問題点

主なプルサーマルの問題点は、プルトニウムの危険性とお金がかかることです。

プルトニウムの危険性
長期間にわたって放射線(α線)を出し続けることです。体内に取り込まれると長期間悪影響を及ぼします。プルトニウムは重いので、飛ばされたり、拡散する恐れは少ないそうです。通常は土壌にあります。アメリカ、ソ連、中国、フランスが核実験した核爆発で、世界中にまきちらされたそうです。今回のプルトニウムは、この原子炉の中から出てきたと言われます。プルトニウム238、239、240の比が原発由来のものと見られています。
お金がかかる
再処理施設、イギリスやフランスに依頼しています。MOX燃料を作るために海上保安庁が護衛しています。

放射線の種類

アルファ線(紙は通りません)、ベータ線(アルミニウムなど薄い金属は通りません)、ガンマ線、X線(鉛や厚い金属は通りません)、中性子線(水やコンクリートは通りません)

被曝・ひばく

被曝
被曝とは、放射線にさらされること
被爆
爆撃を受けること、原爆の被害を受けること

同じ「ひばく」と発音するので、放射能と言えば広島の原爆を思い出して、被爆のことと思っている人が多々あるのではないかと思います。

体への影響

5000ミリ・シーベルト・・・白内障、皮膚の紅斑
1000ミリ・シーベルト・・・10%の人に吐き気・嘔吐あり。
500ミリ・シーベルト・・・リンパ球が減る
甲状腺ホルモン
1986年のチェルノブイリ原発事故の際には、当時18歳未満だった約6800人が甲状腺のがんに罹ったそうです。原因は、放射性ヨウ素131がガス化して葉につきその牧草を食べた牛の乳・牛乳でした。その高濃度の放射線で汚染された牛乳を飲んだ子供たちに発生しました。その頃のソ連は秘密主義でした。消防士もたくさん死亡しました。放射性ヨウ素131に対しては、安定ヨウ素剤を飲むと良いです。放射性ヨウ素が甲状腺に集まる前に、飲んだヨウ素を甲状腺に集めておきます。すると、体に放射性ヨウ素をたくさん取り入れないようになります。日本人は、普段から海産物をたくさんたべているからチェルノブイリに比べると放射性ヨウ素は取り入れにくいそうです。

暫定基準値とは

原子力安全委員会が、国際基準の厳しい基準を当てはめて作りました。(食品衛生法には、食品の放射性汚染に対する基準がありませんでした)

放射性ヨウ素
野菜は通常食べるように、水洗い後に検査することで、2000ベクレルという数値になっています。半減期は8日と言われます。
セシウム
体内に入ると、100日で半分になります。
プルトニウム
ずっとα線を出します。体内に入るとダメージが大きいです。呼吸で吸うと、肺にたまり肺がんになります。

水道水

福島県では、伊達市、いわき市、飯舘村などでは、乳児への飲用が禁止されました。

ご飯を炊く、おかずを炊くなどは、量が少ないので水道水を使っても良いとされています。水道水を汲み置きしておけば、よいそうです。カルキを抜かずそのままペットボトルへ入れて、栓をしておきます。飲む前には沸騰させて飲みます。

母乳
水道水を飲んだ母親の母乳をあげても良いかという質問に、水道水を飲んでも害を及ぼす可能性は極めて低い。赤ちゃんの脱水症状の方が怖いので、十分に水分を取らせてあげるようにとのことでした。
お風呂
体の外だから大丈夫です。
ミネラルウォーター
ミネラルウォーターでミルクを作る場合には、軟水を使ってください。軟水は国産の物に多い。硬水は腎臓に負担をかけるそうです。硬水とは、1リットル中の炭酸マグネシウムが100mg以上の物を言います。

原子力の安全チェック

経済産業省の管轄の原子力安全保安院がチェックします。原子力安全保安院は、原子力、電力、鉱山、火薬、都市ガス、LPガス、高圧ガス・熱供給などのチェックもしています。

内閣府の原子力安全委員会は、原子力安全保安院のチェックの仕方をチェックするそうです。こうして、ダブルチェックの構造になっています。

どちらにも、専門家の知識を活かすことができるようになっていますが、実際にはなかなか機能していないようです。

SPEEDI・スピーディーとは

SPEEDI・スピーディーとは、「緊急時迅速放射能影響予測」のことです。

退避勧告

アメリカは、原発より80kmより外への退避勧告をしました。イタリアは原発より30kmより外への退避勧告をしました。

成田空港からの入国者も減っている現状です。

一日も早く、原発の「冷やす」作業がうまくいきますようにと祈っています。そして、日々過酷な状況で、日本を背負って身をはって頑張ってくださっている方たちに感謝しています。

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Author:Tomoko Ishikawa Valid HTML5 Valid CSS
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更新日:2016/08/31