ペルー・マラスの塩田

「地球イチバン」では、ペルーの「マラスの塩田」を取り上げていました。「マラスの塩田」は、初めて聞きました。料理に興味を持たれている人には、聞きなれた場所かもしれません。

標高3000mにある地球でイチバン高いマラスの塩田は、地域の人々の結束により、長く伝統が受け継がれて来ました。これから先も、今までの伝統ある作り方をして、味を守っていただきたいと思いました。

マラス塩田はペルーのどこにある

マラス塩田は、アンデス山中にある棚田の塩田で、ペルーのクスコからウルバンバ方面(北西)の幹線道路を車で走って約1時間20分かかります。(クスコはペルーの南東に位置し、マチュピチュ遺跡観光への起点となる街ですが、クスコ自体もマチュピチュと同じく世界遺産に指定されています)

このマラス塩田から約25分の所(西南西)に、モライ円形遺跡があります。マラス村を通って農道を約9kmの所にあるようです。

マラス塩田は、山の斜面に約1kmにわたってあり、宇宙からも白く見えます。天日干しの楽天 を作っています。俳優の永井大(まさる)さんが、訪問していました。

標高3400mの空港に着いた永井さんは、息苦しくはないけれど、日差しはきついと言っていました。3678mのアンデスの山には、1年中雪をかぶっているそうです。

インカの教え通りの塩つくり

切り立った山の谷間に、田んぼのような四角が所狭しとと並んでいます。その四角の田は3234枚もあるようです。塩水を貯めて天日干しにして塩を作るのです。この塩田は、地元の村人400人が数枚ずつ持っています。

流れてくる谷川の水をなめるとしょっぱい中にやわらかい感じがして、永井さんは「血」をイメージしました。鉄分がとても多いそうです。

塩田作りはどうする
  1. 塩水を田に引き込みます。
  2. その塩水を田の土とよく混ぜあわせます。
  3. 塩水と土をよく混ぜると、固くしまりセメントのようになります。これが、水漏れを防いでくれます。
  4. 塩水の深さは、常に3cmになるように調節しているようです。

この塩田はインカ帝国の時代からありました。16世紀にインカ帝国は、スペインの侵略によって滅ぼされましたが、この塩田は破壊されませんでした。それから、ずっと塩づくりの伝統は受け継がれて来ました。

源泉の塩水濃度は21.7%

味噌汁の塩分濃度は1%、海水は3.4%、ここの谷の水はなんと21.7%だそうです。なぜ、こんなに塩分が濃いのでしょうか。

この場所は、1億4500万年前は白亜紀で、海でした。6000万年前に隆起しました。塩の層へ地下水が流れ、濃い塩水が流れてくるようになったようです。

この塩田では、塩は1ヶ月で収穫できます。1枚の板を持って、表面の塩だけをかき寄せます。マラスの塩は結晶が大きいので、味がまろやかだそうです。

一般の塩の結晶は、0.4mmですが、マラスの塩の結晶は、1〜10mmで、ゆっくりと固まるから塩の結晶が大きくなるようです。そして、結晶が大きいので、舌の植えで溶けるスピードが遅いから、まろやかに感じるそうです。

標高3000mでの作業は重労働

収穫した塩は50kgの袋にして背負い、狭いあぜ道を歩いて上の倉庫まで運びます。1日に40往復もするそうです。標高3000mでの作業は重労働です。

永井さんがとっていた表面の白い塩は食用に、二度目に収穫する土混じりの塩は、家畜のエサなどに使われます。

マラスの塩の使い方

羊の肉料理に
さばいた羊の肉に2kgの塩をまぶしておいて乾燥させます。チャルキーと言います。このチャルキーは、とうもろこしのスープに入れて食べます。
パン焼き窯に
パンを焼く窯に5トンの塩を敷き詰めるそうです。そうすると、保温効果があるようです。
ミイラを作る
ミイラ作りにもマラスの塩が使われました。
物々交換用に
塩とジャガイモを交換したり、塩と陶器を交換したりします。アイニという互助扶助、互いに助けあうという考え方が、この地方には根強く残っています。

塩田は共同作業

マラスでは、塩田が600年も続いて来ました。その間塩水を公平に分けあって来ました。インカ道では、足りないものをお互いに補い合いながら暮らして来ました。

橋を共同でかける
谷にわたる橋は、橋の両側の村人が協力してかけます。
段々畑では
段々畑では、上と下では、違う作物を作るそうです。同じ物を作って全滅したら困るし、違う作物なら交換もできます。
飢饉の時には
飢饉の時には、高齢者や親を亡くした子どもには食べ物を分け与えたそうです。

インカの時代から600年間も共同作業で塩田を守って来ました。共同で作業することで、辛い仕事を続けてこられたそうです。みんなで水路の手入れをします。

インカの教えを守り、続けています。「今日はあなたのために、明日は私のために」という教えです。

これからの塩田の課題と観光

マラスの塩田では、今、塩が売れない、在庫の山がある、という難題があります。

塩田の売店で売っている塩は、300gで2ソル(60円)ですが、観光客もなかなか買わないそうです。(ヨードが入っているせいも少しはあるかもしれませんね)

外国の安い塩におされて売れないそうです。激しい塩の価格競争に巻き込まれています。

そこで、ビニールシートに塩水を引き込む方法を考えた人もいます。ビニールシートは有効ですが、塩田の風景を変えてはいけないということになったようです。

観光客が年間10万人

観光客が年間10万人にもなり、入場料が少しはいるようになりました。入場料は1人5ソル(約150円)です。

3ヶ月に1度は、塩田を持っている枚数に関係なく、平等に分けられます。この日は100ソルで、日本円で約3000円です。

マラスの塩を使った製品作り

マラスの伝統的な塩づくりに感動した実業家は、人気シェフにマラスの塩を紹介して使ってもらったり、マラスの塩を使った新製品を色々と開発しています。塩入りチョコ、調理用塩、他にも色々と考えられています。

ペルーでは、食用の加工塩にはヨードを混ぜて売られています。

土壌・風土や食習慣の影響により、ヨード摂取量が少なすぎるとヨード欠乏症を引き起こすために、その予防としてヨードを混ぜています。

しかし、海藻などをよく食べる人は、ヨウ素の取り過ぎになると甲状腺機能を低下させるなどの弊害があることが医学的に証明されています。

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Author:Tomoko Ishikawa Valid HTML5 Valid CSS
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更新日:2016/08/31