発明力

読売新聞に、特許庁が2010年末に開催した「次世代の発明家へのメッセージ シンポジウム」のパネルディスカッションの模様を掲載していました。「青いバラ」で有名なサントリーホールディングス(株)の田中良和氏、「痛くない注射針」を製造している岡野工業(株)の岡野雅行氏のトークが載っていました。発明のヒントがありました。

田中良和氏と岡野雅行氏は、「人のやらないことをやる」「成功するまで努力を重ねれば、失敗はなくなる」ということをお話になられました。

たとえ成功しなくても、積み重ねたものから気づき、学び、体全体で考えて自分の糧にする。そして、今まで誰もやっていないことで社会貢献することに、発明家としての最上の喜びがあるのではないか、と司会の妹尾堅一郎氏がまとめておられます。

サントリーホールディングス(株)の田中氏の「青いバラ」の開発

以下は、サントリーホールディングス(株)の田中良和氏の言葉です。

きっかけ
サントリーには、創業者の言葉「やってみなはれ」という、新しいことを成功するまで続ける社風が根付いています。入社7年目に「青いバラ」の開発プロジェクトが発足しました。
興味
青いバラのように、明確なテーマの設定があり、知的好奇心がくすぐられるものには挑戦したいです。会社の方針もありますが、興味を持てないと良い発明や科学の発展はできないと思います。
研究とお金と社会との繋がり
技術的な問題は、研究を重ねればなんとかなります。しかし、資金繰りの手伝い(オーストラリアのベンチャー企業との共同研究でした)をしていた時には非常に苦労しました。お金がないと研究すら続けられないことを実感しました。自分の研究と社会との繋がりを考える良い機会になりました。
日々の積み重ねが大切
特にバイオテクノロジーの分野では、ひらめきよりも日々の積み重ねが重要です。しかし、いち早く結果を出して特許を申請する必要があります。競合他社に先行されたら、長年の研究も水の泡なので一番でないと意味がありません。
負けてたまるか
企業の研究開発では、自分のやりたいことを最初からできるとは限りません。成果が出るまでにも長い時間がかかります。そこでめげずに「負けてたまるか」くらいの熱意でたゆまぬ努力を続けてください。どんな経験もムダにはならないと思います。青いバラの花言葉は「夢かなう」です。雲の上の青い空のように、高い志を持って立派な人物になろうとする意味の「青雲の志」を持って頑張ってもらいたいです。

岡野工業(株)の岡野雅行氏の発明楽天 

金型屋の息子
岡野さんは、東京都の下町の生まれで、実家は金型を家業にされていました。中学生の頃、まともに学校へ行っていなかった岡野さんのことを心配したお母さんが「遊んでいないで手に職をつけてくれ」としつこく言うので、仕方なく家業を手伝い始めたそうです。仕事が面白かったのか、ずっと金型屋一筋でやってきたと、言われています。携帯電話に使われているリチウムイオン電池ケース、痛くない注射針など、不可能だと言われてきた物をたくさん作られました。
チャレンジ精神
岡野さんは60%いけると思ったら引き受けるそうです。後の40%はやってみなければわからない。チャレンジ精神を刺激してくれる仕事はやってみたい。先方の熱意やその企業が信頼できるかどうかを判断基準にしているそうです。
物づくりへの情熱
岡野さんは、ベトナムで16年前に買ったロボットのオブジェを大切にされています。ベトナムの高校生が、オートバイの廃材のみで作った物だそうです。好奇心や興味があるといい仕事に繋がり、このロボットは物づくりへの情熱を駆り立ててくれる逸品だそうです。
成功とは
技術的な失敗も人一倍してきたが、成功するまでやったら失敗はない。逆に挑戦しなければ失敗はないが、成功はもっとないと岡野さんは言います。
訓練で、設計図を書かない
岡野さんは金型を作る時に、設計図を書かないそうです。頭の中で完成図が描けるから要らないそうです。図面がないと作れないと人は言うけれど、人間の頭はみんな同じ、要は訓練だと岡野さんは言います。若い頃からやってきた蓄積があるから、頭に浮かぶのだと思うとも言います。
挑戦が大切・大手企業と組む
たとえ特許の期限が切れたとしても、誰もマネできないような仕事をして欲しい。そのためには、常に挑戦することが大切。そして、特許は大手企業と組んで取るのが良策だ。小さな会社は、世界にネットワークを持たないから、世界の端でマネされても気づかない。大企業と組めば、そういうリスクは減らせる。特許は、強力な営業になることも覚えておくといい、と岡野さんは助言されています。

産業財産権とは

知的財産権のうち以下の4つを産業財産権と言います。

産業財産権制度は、新しい技術やデザイン、ネーミングなどに独占権を与え、模倣を防止しています。また、研究開発へのインセンティブを付与したり、取引上の信用を維持することによって、産業の発展を図ることを目的にされています。

これらの権利は、特許庁に出願し登録されることにより、一定期間独占的に実施・使用できる権利となります。

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更新日:2016/01/30