アトピー性皮膚炎

アトピー性皮膚炎は様々な要因から発症し、皮膚にかゆみを伴う湿疹ができます。小さな子どもに多く見られますが、かゆいのを我慢しなさいと言うのも酷な気がします。

アトピー性皮膚炎は、良くなったり悪くなったりを繰り返す病気です。日常生活でのスキンケアの注意点などを知っておきたいと思います。

アトピー発症の鍵解明 2013.8

兵庫医科大と三重大のチームがマウスの実験で、皮膚などにあるタンパク質「インターロイキン33」が過剰に生み出されると、アトピー性皮膚炎の発症につながることを明らかにしました。

「インターロイキン33」・IL33は、人の体内にもともとあります。アトピー性皮膚炎患者の皮膚細胞には、普通より多いことがわかっていました。

IL33を正常の約10倍多く作るように操作したマウスを作成しました。すると、生後6~8週で顔・手足に皮膚炎を自然発症し、顔をかきむしりました。そして、かゆみを出す肥満細胞の増加もみられました。

IL33の作用を詳しく調べたら、アレルギーに関係する2型自然リンパ球が増え、湿疹のもととなる好酸球を増やすタンパク質「IL5」を作り出していました。マウスにIL5を働かないようにする物資を投与すると症状は改善しました。

IL33は、花粉症や喘息、アレルギー性鼻炎などの発症や悪化に関わるとの研究報告もあります。

早く、画期的な薬が開発されることを切に願います。

アトピー性皮膚炎とは

現在は、日本人の3人に1人が何らかのアレルギーを持っていると言われています。そして、その数は年々増加しているようです。日本国民の1割がアトピー性皮膚炎、その数1000万人と言われています。

アトピー性皮膚炎は、良くなったり悪くなったりするかゆみを伴った湿疹で、本人や家族にぜんそく、アレルギー性鼻炎、アレルギー性結膜炎、花粉症、アトピー性皮膚炎などのアレルギーの病気が見られものです。

年齢により出る症状に特徴があります。乳児期には、頭、顔にジクジクした湿疹が出、しばしば体や手足に広がっていきます。耳切れも多く見られるそうです。

幼小児期には、乾燥傾向が強くなり、首、肘、膝に多く見られます。

アトピー性皮膚炎は、接触性皮膚炎(かぶれ)、あせも、伝染性膿痂疹(とびひ)などの他の病気との見分けが必要です。小児科や皮膚科を受診して診断を受けてください。

アトピー性皮膚炎の罹患率

アトピー性皮膚炎楽天 は、小学生以下で10?13%、20?30歳代で9%前後の人に認められるそうです。

大人になって突然発症

新婚旅行の帰りから突然発症した人は、ストレスが原因と言われたそうです。また、乾燥肌だと思っていたら、アトピー性皮膚炎だった人もいます。

アトピー性皮膚炎の発症・悪化因子とは

なぜアルレギーは起きるのか。人の免疫システムには、司令塔の役目をするTh1(感染予防因子)とTh2(アレルギー因子)があり、アレルゲン・有害物質が体に入った時に、Th2(アレルギー因子)だけが活発になり、この2つのバランスが崩れると、過剰な体の防御反応を引き起こし、アレルギーを発症してしまいます。

アトピー性皮膚炎の悪化要因
  • 食べ物・・・卵、牛乳、小麦、脂肪分の多い食事など
  • 汗、乾燥、そうは(かき崩すこと)
  • ダニ、ホコリ、ペット
  • 細菌、真菌
  • ストレス・・・地球温暖化による変動の激しい気象、不規則な生活
  • 物理・化学的刺激・・・よだれ、石鹸、洗剤、衣類のこすれ、排気ガス、化粧品など

アトピー性皮膚炎の発症・悪化因子には、上記のようなものがあげられます。

2歳未満では食べ物が、年齢が大きくなると他の因子の関与が多くなるそうです。

原因となる物は個人個人で異なるため、十分に確認して除去対策を行うようにします。

皮膚科の専門医の話では、アトピー性皮膚炎になりやすい体質は治らないそうです。しかし、痒みを抑えたり、きれいな皮膚にしたりすることはできるそうです。

イギリス、ダンディー大学での遺伝子解析

イギリスのダンディー大学で、アトピー性皮膚炎患者2000人以上の遺伝子解析の結果、皮膚のフィラグリン(FLG)に遺伝子変異があったそうです。

皮膚のフィラグリン(FLG)に遺伝子変異は、皮膚の角層にほころびができます。そこを、何度もかいたりすると、さらに角層が壊れ、抗原(ダニやペットの毛など)が入りやすくなります。そして、アレルギー反応を起こします。

フィラグリンの遺伝子変異があるとアトピー性皮膚炎になりやすい

日本人の100人のアトピー性皮膚炎の中では、約27人にフィラグリンの遺伝子変異があるとわかったそうです。フィラグリンの遺伝子変異があると、皮膚のバリアである角層が乱れます。乱れた角層から抗原が入り、リンパ球が増えて炎症が起こります。そうすると、肥満細胞が増え、ますます炎症が起きてくるという悪循環が始まるようです。

そこで、対策としては、障害している角層を守るために、正しいスキンケアをしてバリアケアをすることです。

アトピー性皮膚炎の治療法

アトピー性皮膚炎の治療の基本は、発症・悪化因子を探すこと、対策、スキンケア、薬物療法を適切に組み合わせることのようです。

アトピー性皮膚炎の患者さんの皮膚は、水分を保てない、外からの刺激を受けやすい、少しの刺激で痒くなる、皮膚の感染症に罹りやすいなどの特徴があります。

アトピー性皮膚炎は、慢性の病気で、アトピー体質までは治りません。が、アトピー性皮膚炎のコントロールはできます。薬を上手に使いながら悪化要因を避け、うまく病気と共存していくことを目指します。

***スキンケアについて(***とても大切なことです)

ポイントは、入浴、シャワーによる皮膚の清潔、保湿剤による皮膚の保湿・保護です。

入浴時の湯温、室内の温度・湿度、爪の手入れにも気を配ります。

***保湿剤、ステロイド剤は、適量を塗らないと皮膚の炎症を抑えられません。途中でやめたら、まだ深部の炎症が抑えきれておらずすぐに再発を繰返します。

今までに、正しい薬の使い方・塗り方について丁寧に説明されてきませんでした。正しく使えば、皮膚が乾燥したり、痒みが出たりすることはありません。

塗り薬・ステロイド剤を、飲み薬のステロイド剤の副作用の怖さと勘違いしている人がほとんどでした。塗り薬での副作用は、皮膚が薄くなるということはありますが、体全体に及ぼす副作用はないそうです。安心して、アトピー性皮膚炎の症状を抑えることに力を注いでほしいと思います。

入浴について
  • 石けんで泡を作り、泡で体を洗います。泡で黄色ブドウ球菌などの雑菌を包んで落とします。
  • 泡は、ビニル袋に水を少し入れ、その上に液体せっけんを少し入れてから、よく振ります。すると、泡が簡単にできます。液体石けんは無添加の物を使うと良いでしょう。
  • 上記の泡を使って、もっときめ細かい泡をネットで作ります。きめ細かい泡を手先につけて逆さまにしても落ちないくらいの硬さにします。
  • その泡を体に付けて、優しくもむように洗います。泡をすり込む感じだそうです。
保湿剤について
  • 保湿剤は、市販の物でもよいそうです。しかし、パラベンが入っていない物を使います。
  • 保湿剤の使用量は、人差し指の先から第一関節まで搾り出した量が手のひら2枚分を塗る量となります。普通の人は、塗る量が少なすぎるようです。
  • ベタベタする感じになるまで塗ります。
  • 手のひらなど、ベタベタして困る時には、保湿剤を塗った後にラップを貼り、その上に綿の手袋をはめると良いそうです。
ステロイド薬について
  • ステロイド薬も厚みを持って塗ることが大切です。ステロイド薬の使用量も保湿剤と同じく、人差し指の先から第一関節まで搾り出した量が手のひら2枚分を塗る量となります。普通の人は、塗る量が少なすぎるようです。
  • 飲み薬のステロイド薬と塗り薬のステロイド薬を混同して、副作用を心配している人が多いそうですが、塗り薬のステロイド薬の副作用は少ないです。副作用としては、皮膚が薄くなることがあります。
  • ステロイド薬の塗り方は、すり込まないように載せる感じで塗ります。薄膜を作る感じです。
  • ステロイド薬は、皮膚が完全にきれいになるまで塗ります。

症状の悪い時には、炎症を抑える適切なステロイド外用薬、かゆみを抑えるための内服薬も必要です。

アトピー性皮膚炎の日常生活での注意点

皮膚の清潔を保つ

皮膚の保湿

その他に気をつけること

アトピー性皮膚炎についてのQ&A(皮膚科医の答え)

塩水で洗うと良いですか?
良い効果はあるが、よく洗い流すことが必要です。
熱い湯は?
熱い湯は、痒くなるので避けた方が良いです。
汗や日焼けは避けるべき?
汗をかいたら、よく洗えばよろしい。日焼けには気をつけます。ひどく日焼けしないようにします。
温泉は?
温泉が保湿剤になる場合と、刺激を起こす場合があります。また、人によってその効果はまちまちですから、注意が必要です。
せっけん、シャンプーは?
無添加の物を使うようにします。そして、しっかり洗い流すことが必要です。
治ってもぶりかえしますが?
きれいになっても、皮膚の下に炎症があるとぶり返します。しっかりと治療することが必要です。
ステロイド剤と保湿剤の塗り方は?
どちらを先に塗っても良いです。二つの薬が混ざることになります。
ステロイド剤は塗る場所で薬が違う?
ステロイド剤は、体の場所によって吸収率が違います。そこで、吸収率の悪い場所には濃いステロイド剤が出ることになります。ステロイド剤は、5段階に分けられています。
アトピー性皮膚炎はきれいな状態を続けることが大切です。皮膚科医はよくなったら、ステロイド剤から保湿剤へと替えていきます。アトピー性皮膚炎は慢性疾患です、あせらず、きれいな状態を維持しましょう。

新アトピー対策「L-92乳酸菌」2011.5

名古屋大学名誉教授・鳥居新平さんは、約5年前に日本臨床腸内微生物学会で、「L-92乳酸菌」の効果について発表しました。

4?15歳のアトピー性皮膚炎患者20人を対象に「L-92乳酸菌」を摂取してもらい、その経過を調べました。「L-92乳酸菌」を摂ることで、薬の量が減り、著しく有効が10%、有効が70%、やや有効が10%、変化なしが10%という結果が出たそうです。

2011年3月の日本農芸化学会での最新発表によると、他の乳酸菌と比較して腸管への接着能力が高く、分子そのものが免疫バランス調整に関与する可能性が示唆されているそうです。

従来の西洋医学での治療も受けながら、生活習慣の見直し、乳酸菌などで体のバランスを整えるという方法も併用した方が、症状の緩和や治癒に結びつくと長年のアレルギー治療の経験と実績から、名古屋大学名誉教授・鳥居先生は言われています。

また、「肉を少なくして魚を食べ、根菜類を摂った方がいい」と助言されています。

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更新日:2016/09/05