糖尿病の検査と治療法

2007年の国民健康・栄養調査によると、糖尿病が強く疑われる人が890万人、糖尿病の可能性が否定できない人が1320万人で、合わせると2210万人の人が糖尿病の可能性があると推定されています。

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糖尿病の検査法

尿糖検査
通常の尿糖値は、170〜180mg/dlです。つまり、尿糖が出ていなければ一般的に血糖値は180mg/dl以下であると言えます。血液中のブドウ糖は多過ぎると尿に排泄されますから、尿を検査することで血糖の状態を間接的に知ることができます。尿糖は通常、血糖値が約170mg/dL以上にならないと検出されません。空腹時には糖尿病でも170mg/dL未満になっていることがあり、とくに高齢者の場合は腎機能の低下で、170mg/dLよりさらに高くなっても尿糖が出ないケースもあります。
血糖検査
血糖値とは血液中のブドウ糖の濃度のことです。正常値は空腹時で110mg/dl以下です。随時に採血した血糖が200mg/dl以上なら糖尿病型とよばれ、別の日にもまた200mg/dl以上なら糖尿病と診断されます。
HbA1C(ヘモグロビン・エー・ワン・シー)検査
HbA1cとはブドウ糖と結びついたヘモグロビン(血色素)で、現時点より過去1〜1.5ヶ月間の平均血糖値を反映しているため、患者さんの生活や症状を把握するために糖尿病の治療コントロールの良否にはかかせない検査です。正常値は4.4〜5.8%です。HbA1cを常に6.5以下にきちんとコントロールできていると、網膜症・動脈硬化・腎症・末梢神経障害といった糖尿病による合併症をかなり防ぐことができます。6.5%が糖尿病治療の第一目標です。第一目標が達成できたら、さらに基準値(5.8%以下)に下げましょう。
フルクトサミン検査、グリコアルブミン検査
フルクトサミンは、血液中のタンパク質にブドウ糖が結合してできる物質です。フルクサミンの量を調べることで、血液中にブドウ糖がどの程度増加しているかわかります。グリコアルブミン検査は、血液中のタンパク質の主要成分のアルブミンが、どのくらいの割合でブドウ糖と結合しているかを調べる検査です。グリコアルブミンの基準値は12.3〜16.9%で、これより高ければ、血糖値が高い状態が続いていることになります。この二つの検査値は、タンパク質の寿命から過去約2週間のコントロールをあらわす指標となるようです。
1,5-AG検査
1,5-アンヒドログルシトール検査、1,5-AGといわれる検査です。健康ならほぼ一定の値を示し、尿糖の排泄に影響され減少するため、血糖コントロールの検査の中で唯一、値が高い方が良い検査です。
自分でできる検査
尿検査では、市販の試験紙を使い、尿糖、ケトン体を手軽に調べられます。簡易型血糖測定器を用いて血糖自己測定も可能です。最も簡単なところでは、体重測定が太り過ぎを防止する意味で役立ちます。検査値の記録には、(社)日本糖尿病協会発行の糖尿病健康手帳や自己管理ノートが便利です。
ケトン体検査
ケトン体は、インスリンの作用不足でブドウ糖をエネルギー源として使えないとき、からだが脂肪分をエネルギーに変換しようする結果、発生する物質です。ケトン体検査は、1型糖尿病ではとくに大切な検査です。
膵臓の働きを調べる検査
採血による血中インスリン濃度検査や、24時間分の尿からインスリン分泌量を調べるC-ペプチド検査などがあります。
合併症の検査
糖尿病の三大合併症の網膜症、腎症、神経障害対策として、眼底検査、尿中アルブミン測定、腱反射テストなどが行われます。また、血圧やコレステロール、中性脂肪、心電図などの検査も大切です。

糖尿病の治療法

糖尿病の治療法は、食事療法、運動療法、薬物療法があります。

糖尿病の食事療法

  1. 1日の必要カロリーを計算 自分の体の大きさと、生活の運動量によって、1日の必要カロリーを計算します。1日に必要なエネルギーは「標準体重(身長m×身長m×22)×25〜30kcal」ですが、これは、軽作業の方のカロリーです。身長が165㎝の場合は、1.65×1.65×22×25〜30=1500〜1800kcal/日になります。軽労作(デスクワークが主な人・主婦など)は25〜30kcal、普通の労作(立ち仕事が多い職業)は30〜35kcal、重い労作(力仕事の多い職業)は35kcalをかけて、一日に必要なエネルギーを計算します。
  2. 一日3回規則正しく食べましょう。
  3. 栄養のバランスが偏らないようにしましょう。炭水化物抜きは、脂質の摂取量が増加し、動脈硬化をすすめるなどの問題を引き起こします。果物は、甘く果糖が多いので控えめにします。
  4. 薄味にする、油の上手な利用、外食に注意、アルコールは原則禁止、菓子、嗜好飲料は控えるなどの日常の注意が必要です。
  5. 食品を計る習慣をつける、食事記録をつける、ゆっくりと噛んで食べるなどの習慣をつけると良いそうです。

ある医師の食事療法

1日1600kcalの摂取カロリーにした人の献立です。

朝食・・・ご飯を軽く1杯、味噌汁、納豆、キンピラゴボウ

昼食・・・玄米、焼き魚、野菜の煮物、漬物

夕食・・・ご飯1杯、豚肉のショウガ焼きまたは刺身、豆腐、野菜の煮物、味噌汁

カロリーの少ない食べ物(カロリーの低い野菜、肉も脂身の少ない鶏肉、カレイ、ヒラメなど白身の魚など)を選び、野菜を中心にボリームを出すように工夫しているそうです。制限カロリーを守るには、油脂類を避けることと言われます。糖尿病になる前は、ビフテキ、天ぷら、トンカツなど大好きだったそうですが、糖尿病になってから、ほとんど口にしなくなったそうです。

食事の時間を最低でも15分以上かけて、ゆっくりと食べると満腹感も出て慣れるそうです。

また、外食時には、半分は残すようにしておられます。

カロリー計算法

いろんな計算法があるようです。この計算法は、その人の労働や、運動などの身体活動量も含め、健康だった時の体重×0.4単位で算出します。

単位は、「80kcal」を1単位として数えます。

例えば、体重50kgの女性なら、50kg×0.4単位=20単位になります。1単位は80kcalなので、1600kcalとなります。その人の1日の必要なエネルギーとなります。

20単位を3食に振り分けてもよいし、朝・昼・夕食を6単位ずつにすれば、残り2単位をおやつに回せます。甘いお菓子を食べることも可能です。

適正なたんぱく食を

血糖値が上がるからと、ご飯や甘いものを我慢している人もいます。が、ご飯などの主食を食べないとエネルギー不足になるそうです。

そして、タンパク質は、アンモニアや尿素として分解し排泄されるため、過剰にタンパク質を摂取すると、腎臓に負担をかけることになります。

適正たんぱくの計算式

適正なたんぱく量は、体重1kg当たり×0.8gで計算します。

例えば、体重50kgの女性なら、50kg×0.8gで40gとなります。さらに、低たんぱく食にすれば、0.5g以下がより効果があるようです。

そうすると、体重50kgの人だと50kg×0.5gで25gとなります。

タンパク質の量は

肉や魚の重量がそのままのたんばく質の量ではありません。

たんぱく質7gに相当する量は、30gの牛肉、豚肉、鶏肉、魚(目安はトランプ1/3個分)、30gのチーズ(目安はサイコロ4個分、又はスライスチーズ1.5枚分)、60gの卵 (目安は1個分)となります。

バランスの良い食事とは

「まごたちはやさしい」というキーワードがあります。

「ま」は、豆

「ご」は、ごま

「た」は、卵

「ち」は、乳類

「わ」は、わかめなどの海藻類

「や」は、野菜

「さ」は、魚

「し」は、しいたけなどのきのこ類

「い」は、いも類

これらの食品を毎日取るように、献立を工夫します。必要なビタミンや食物繊維も取れるバランス料理ができます。

運動療法

  1. 有酸素運動(早足、ジョギング、水泳、サイクリングなど)が効果的と言われています。そして、週5日以上行うのが理想です。食後1時間後に行うと効果的だそうです。筋肉トレーニングなどもお勧めです。
  2. 運動量は、1日平均150キロカロリー(1週間あたり1050キロカロリー)を目標にします。150キロカロリーの運動量は、歩行(80m/分)で30〜40分、自転車(平地)で30〜40分、軽いジョギングで20分、歩くスキーで20分、テニスで20分、なわとびで10分、水泳(平泳ぎ)で10分という具合です。
  3. 腿・もも上げ体操 まず、肩幅に足を広げて立ちます。両肘を曲げて上に上げます。膝が肘につくぐらいにももを上げます。右膝を10回、左を10回持ち上げます。
  4. いすに腰をおろして、腕を曲げてあげたまま、上半身をひねります。
  5. いすに腰をかけて、両足を前に伸ばします。片足の足先をもう一方の足の上に載せます。そして、そのまま上下に揺らします。

薬物療法

日本人の糖尿病の9割以上を占める2型糖尿病の治療は食事療法と運動療法が基本ですが、それだけでは思うように血糖値が下がらないとき、補助的に薬物療法を行います。
経口剤
薬物療法には、インスリン療法と経口剤療法の二つがあり、大半の患者さんは経口血糖降下剤(経口剤)で治療しています。現在、国内で使われている経口剤は大きく分けると、スルフォニル尿素剤(SU剤)、ビグアナイド剤(BG剤)、α-グルコシダーゼ阻害剤、速効型インスリン分泌促進剤、インスリン抵抗性改善剤の5タイプがあります。1剤だけで治療することもあれば、複数の薬を併用して治療することもあります。HbA1cで薬の効果をみながら処方されます。HbA1cは、6.5%未満が大事です。低血糖を起こさない新しい薬がDPP-4阻害薬です。DPP-4の活性の働きを阻害すれば、インクレチン(腸管から出るホルモン)の働きでインスリン分泌が強まり、血糖コントロールが容易になるそうです。2009年末にこの薬が出ました。DPP-4阻害薬は体重を増やしにくく、単剤では低血糖を起こしにくいそうです。1日1回の服用ですみ、副作用が少なく、他剤との併用もできます。食後高血糖を抑え、中枢神経に働いて空腹感を抑えます。HbA1cの低減目安は、0.7〜0.8%です。病気が進行していない段階から服用すれば、合併症も防げるようです。
インスリン療法
次の場合には、インスリン療法が行われます。経口剤を服用しても血糖値が低下する兆しがみられない(HbA1cが8.0%を超えているとインスリン注射が必要となります)、妊娠中、または妊娠の可能性がある、手術前後、肺炎など重症の感染症にかかっている、足に壊疽がある、肝臓または腎臓に重症の機能障害がある、などの場合です。

革命的新薬・インクレチン関連薬

上記の糖尿病の治療法にも書いていますが、インクレチン関連薬(DPP-4阻害薬)は2009年末から出ているそうです。

インクレチン関連薬(DPP-4阻害薬)の特徴は、以下のとおりです。

  1. 低血糖が起きない。
  2. 1日、1〜2回の服用でもよい。
  3. 高血糖の状態を短くする。

従来のインスリン注射では、食事をせずに注射を打つと、血液中の血糖値が下がりすぎて低血糖になり、ひどいときには意識が混濁することもあります。また、朝晩の注射や、毎食前の内服、食後の内服と1日中、薬に振り回される生活がありました。糖尿病にははっきりとした自覚症状がないことが多く、ついつい薬を飲み忘れたりする人も多くいます。

インクレチン関連薬(DPP-4阻害薬)は、低血糖を起こさない、1日に1〜2回の服用でよく効くという、患者さんにとって革命的な薬と言われています。

インクレチン関連薬(DPP-4阻害薬)とは

「ためしてガッテン」では、インクレチン関連薬について詳しく説明していました。

インクレチン関連薬は、アメリカのアリゾナの砂漠に住んでいるアメリカドクトカゲの生態を観察しているうちに見つけた物質だそうです。

アメリカドクトカゲは、10日〜2週間に1度食事をするだけだそうです。そして、食べるときにはたくさん食べます。一度にたくさん食べると、血糖値が上がり危険なので、口に食事が入るとセンサーが働き、とたんにすい臓にインスリンを出せという命令が送られるそうです。

人間は、食事をしても小腸まで食べ物が届かないとセンサーが働かず、インスリンをたくさん出さないようです。

特に糖尿病の人は、すい臓が目覚めるのが遅いので、インクレチン関連薬を飲んで、すい臓が常にスタンバイ状態になるようにしておくそうです。そして、この薬は長時間効くので、1日に1〜2回の服用でよいのです。また、非常に細やかに血糖値を調節してくれるので、低血糖にならなくて済むのです。

これまでの薬と組み合わせて使うこともできるそうです。

今後、1週間に1度の注射で効果が出るような薬も開発されるそうです。

使用できない人
インスリンの分泌を促進するので、長期間糖尿病を患っている人、1型糖尿病の人には、インクレチン関連薬は使えないようです。

体重を4%減らせば、糖尿病のリスクが半減

糖尿病の半数の人が、肥満だそうです。そして、糖尿病予備軍の人もたくさんいます。半年で糖尿病予備軍を脱した人達がいます。

それは、今の体重から4%を減らすことでした。肥満の人には、肝臓に脂肪がたまっている人が多いそうです。

肝臓に脂肪がたまっていると、血液中の糖は、もう肝臓に取り入れることができずに血管の中にたくさんいることになり、まさに高血糖の状態です。

ところが、やせると肝臓の脂肪は溶けやすく消費され、肝臓に空きができると、血液中の糖が脂肪の形でまた肝臓にためられて、血液中の糖が減るのです。そして、高血糖は解消されます。

肝臓に空きを作るためにも、少しだけでもやせると効果は抜群のようです。

女性のごはん摂取量と糖尿病との関係

国立がんセンターなどの6万人規模の追跡調査で、1日にごはんを3杯以上食べる日本人女性は糖尿病の発症率が高いことがわかりました。

岩手、長野、茨城、沖縄など8県在住の45〜74歳の男女約6万人を対象に1990年代初めから5年間にわたり追跡調査したそうです。

女性の場合、1日に茶碗3杯を食べるグループは、糖尿病の発症率が1杯のグループに比べて1.48倍に、4杯以上だと1.65倍になっていました。

肉体労働やスポーツを1日1時間以上行うグループは、摂取量と発症率に目立った関連はなかったそうです。

男性の場合は、女性に比べて摂取量との関連は小さいが、運動しない人の発症率は高まる傾向にありました。

糖尿病の「元(TBP2)」を突き止めた、京大チーム

京都大学ウイルス研究所・増谷弘准教授、吉原栄治研究員らが、血糖値を下げるインスリンの分泌や働きを妨げ、糖尿病発症の原因になる体内物質を突き止めました。科学誌「ネイチャー・コミュニケーションズ」に発表しました。

この物質を減らす薬を開発すれば、新薬として期待できるようです。この体内物質は、細胞の核にある「TBP2」というタンパク質です。

TBP2を持たないマウスは、インスリンの分泌量が約1.5倍に増加し、いくら食べて太っても血糖値が正常に保たれ、糖尿病にならなくなったそうです。

TBP2は、食べるものがなくても血糖値が下がりすぎないようにし、生命を維持するために働いているらしいですが、飽食の時代を迎え、病気の原因になってしまったようです。2010.12

半年で糖尿病の血糖値がよくなった

10年以上も糖尿病で悩んでいた人が、半年で軽い薬に変えることができたそうです。

インスリンでβ細胞を復活させる

β細胞とは
β細胞は、すい臓のランゲルハンス島にあり、インスリンを分泌します。β細胞は、血糖が増えると一生懸命に働き疲れてしまいます。また、増えすぎた糖がβ細胞を殺してしまいます。しかし、中には死なないで気絶していただけのβ細胞もあるそうです。
インスリンとβ細胞
インスリンを注射で補充すると、β細胞はその間インスリンを出さずに休むことができ、細胞が元気に復活し、またインスリンを分泌してくれるようになります。インスリンを打つタイミングは、症状や医療機関によってまちまちだそうです。例えば飲み薬が効かなくなってきた時、薬の量を増やしたりせず、速やかにインスリン注射を打った方が良い場合もあります。インスリン注射は、血糖値が下がれば、1ヶ月〜3ヶ月ほどでやめられます。

糖尿病発症の早期からインスリン注射を打つ例

約30年前から糖尿病発症の早期からインスリン注射を打つことが有効であると、経験的にはわかっていたそうです。糖尿病を発症した時には、β細胞はどんどん減り約半分になるようです。

通常のインスリン治療開始より早めにインスリン注射をすることで、β細胞を休ませてβ細胞を回復させてインスリンを出させるようにします。

血糖値を下げるSU薬は、β細胞の寿命を短くするそうです。SU薬が効いている場合は良いですが、β細胞は高血糖とSU薬のWパンチを受けることもあるようです。

強化インスリン療法

強化インスリン療法とは、インスリンの分泌パターンを健康な人と同じようにするために、1日に3〜4回インスリン注射をする方法です。

1日4回インスリン注射をする場合には、朝、昼、晩の食前に速効型インスリン製剤を1回ずつ注射し、寝る前に中間型インスリン製剤を1回注射します。速効型、中間型、持続型のインスリン製剤を組み合わせて、各人の症状に合わせて使うタイミング、量を決めます。

今までのインスリン療法よりも正確に血糖コントロールができ、高血糖に対してもより効果的、より強力であることから、強化インスリン療法と呼ばれています。

強化インスリン療法が必要かどうかは、医師の判断によりますが、絶対に血糖値を上げたくない若い人や妊娠している方が行う場合があります。

血糖値の高い期間が1〜2年だった人は、回復するようですが、10年も血糖値が高かったら回復しない可能性があります。

*糖尿病のチェックリストや合併症については別ページ「糖尿病」に書いていますから、ぜひお読みください。

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Author:Tomoko Ishikawa Valid HTML5 Valid CSS
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更新日:2016/08/25