B型肝炎とその対策

B型肝炎ウイルスは、体にひそんでいても自覚症状がなく本人も気づかないそうです。肝機能検査も正常だと医師にもわからないと言います。B型肝炎ウイルスによる感染は、母児感染が多く出産の時に母から子へと感染するそうです。

1986年以後に生まれた赤ちゃんは、もし母親がB型肝炎ウイルスを持っていたら、生まれてすぐにワクチンを接種されました。しかし、それ以前に生まれた人はB型肝炎ウイルスを持っている可能性があります。

肝炎ウイルス検査は、保健所でも受けられます。B型とC型が一度に検査できますから、今までに一度も検査したことがない人はぜひ受けてください。近所の病院でも9割の所で検査が受けられます。

検査は7割が無料とのことです。電話で問い合わせてみてください。

肝臓がんとの関係

肝臓がんは、がん死亡の中で第4位を占めています。その中でC型肝炎に罹っていた人が65%、B型肝炎に罹っていた人が15%だったと言います。しかし、まだまだ本人がC型肝炎ウイルスやB型肝炎ウイルスを持っていることを知らない人が多いのです。

肝炎ウイルス検査を受けたことのない人は、ぜひ受けてください。

B型肝炎ウイルスの感染経路

感染経路は、垂直感染と水平感染の2つに分けられます。

垂直感染は、胎内感染と出産時感染があり、生涯にわたり感染が持続する持続感染となります。

水平感染は、医療行為や性交渉などによる感染で、思春期以降に感染すると一過性に感染し終わることが多いようです。しかし、最近になってジェノタイプA型という外来種のウイルスに感染すると比較的高率に慢性化するそうです。

B型肝炎の症状など

急性肝炎と慢性肝炎に分けられます。

B型急性肝炎の症状は、感染後1〜6ヶ月後に全身のだるさ、食欲不振、悪心嘔吐、褐色尿(ウーロン茶のような濃い尿)、黄疸(白目や肌が黄色くなる)などが出ます。約90%の人が治癒し、約10%の人が保菌者となるようです。

B型慢性肝炎は、症状が出にくく自覚症状がほとんどありません。しかし、一過性に強い肝障害を起こすことがあります。この時の症状は、急性肝炎の時と同じです。母児感染でうつった人は、出生後数年〜十数年は肝炎を発症せず、10〜30歳代に一過性に強い肝炎を起こし、おとなしいウイルスに変化するそうです。そのまま一生肝機能が安定する人が80〜90%、10〜20%の人が慢性肝炎となり、その中から肝硬変や肝臓がんになる人も出てきます。

検査法

B型肝炎ウイルス検査

  1. HBs抗原・・・この項目が陽性なら100%感染しています。陰性なら感染していません。
  2. HBe抗原,HBe抗体・・・HBs抗原が陽性の人に検査します。HBe抗原陽性でHBe抗体陰性の人は、B型肝炎ウイルスの増殖力が強く肝炎楽天 が激しいです。そして、他人への感染の可能性が大です。HBe抗原陽性でHBe抗体陽性の人は、ウイルスの増殖力が弱く、肝炎は沈静化し他人への感染の可能性も低いそうです。が、肝炎が徐々に進行する例もあるので要注意です。
  3. HBs抗体・・・B型急性肝炎が治った人やB型肝炎ワクチンを接種した人は陽性となります。そして、HBs抗体が陽性の人は、B型肝炎ウイルスが体に入ってもウイルスは排除され肝炎は発症しません。
  4. HBVDNA・・・B型肝炎ウイルスのウイルス量を数値で表したものです。インターフェロンや抗ウイルス薬を使った時に効果を測る時に使います。少なくなってもB型肝炎ウイルスは、肝臓内に存在するので忘れないでください。

肝機能検査

  1. AST/ALT・・・肝炎があるかどうか、肝炎の程度を調べます。40〜50IU/mlが正常値。数値が高いほど肝炎の程度が強く、高値が長い間続くと慢性肝炎から肝硬変へと進みます。
  2. 血清ビリルビン・・・黄疸の程度を測ります。正常値は1〜1.5mg/dl以下です。3.0mg/dl以上になると白目や皮膚が黄色くなります。

肝生検

肝炎の程度を調べるために腹腔鏡や腹部超音波装置を使って、肝臓の組織の一部を採取します。

慢性肝炎か、肝硬変か、また、慢性肝炎の程度もわかります。

治療法

医療技術のすばらしい進化により、肝炎ウイルスを培養できるようになりました。そこで、新薬ができるようになったそうです。これからも次々に新薬が登場しそうです。

  1. 急性B型肝炎の場合・・・抗ウイルス薬は使わず、水分や栄養のための点滴をして、自然にウイルスが出るのを待ちます。劇症肝炎の時には、一刻を争うので核酸アナログの投与、血漿交換、血液透析などが行われるようです。更に進行する時には、肝移植も考えられます。
  2. 慢性B型肝炎・・・基本的には完全にウイルスを取り除くことはできません。有効な薬は、注射薬のインターフェロンと内服薬の核酸アナログ製剤の2つです。肝炎の軽い人、35歳までの若い人にインターフェロンが使われます。35歳以上の人、肝炎の進行した人には、核酸アナログが使われます。しかし、核酸アナログは、薬を中止すると肝炎が再燃することが多いようです。勝手に自己中止すると危険です。また、薬剤耐性のウイルスが出現する可能性もあります。

薬剤費としては、2010年4月から公的補助があり、各自の収入に合わせて自己負担の上限が月額1万円、2万円に下げられています。各人1度だけの申請となっています。

母児感染の防止について

1986年に母児感染予防事業が始まりました。

母親から感染した赤ちゃんには、HBV免疫グロブリンを出産時と生後2ヶ月の時に、生後2、3、5ヶ月でHBワクチンを接種することになっています。

医療従事者には、初回、初回投与後1ヶ月、初回投与後6ヶ月にHBワクチンを接種します。

世界的に見ると、HBN感染予防のために小児全員にHBワクチンを投与している国が多いようです。日本でも、外来種のジュノタイプA型が増加するようであれば、全員へのHBワクチン接種が必要になりそうです。

70歳代女性の場合

70歳代女性は、30年前に体調を崩して検査をしたら肝機能が悪く急性肝炎と診断されました。治療を受け、5年後にはもう大丈夫といわれました。15年後にも順調で、20年後も肝臓は正常でした。ところが、突然1ヶ月前に肝臓がんができていますと言われ、驚くとともにショックを受けました。

この女性も母児感染によるB型肝炎にかかっていました。B型肝炎ウイルスを完全に取り除くことは難しいそうです。肝臓の奥底に潜んでいるからです。そして、B型肝炎ウイルスは細胞のDNAの場所に潜み、暴れだすとDNAを傷つけがん細胞を作ってしまうそうです。

暴れるウイルスを眠らせる核酸アナログという薬が開発されました。副作用がなく、肝がんを抑えることができます。しかし、注意深い観察が必要ですね。

キキョウの花
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Author:Tomoko Ishikawa Valid HTML5 Valid CSS
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更新日:2016/09/05