動脈硬化
動脈硬化は、本人が自覚しないうちに進み、命に関わる危険な病気を引き起こします。心筋梗塞、脳梗塞、狭心症、下肢閉塞性動脈硬化症などにつながります。
健やかな老後には、動脈硬化を防ぎ動脈を若々しく保つことが大切なようです。動脈硬化の起こり方、予防改善策などを学びたいと思います。
人は血管とともに老いる
米国の医学者、ウィリアム・オスラー博士が「人は血管とともに老いる」と言っています。血管の中でも動脈は、体のすみずみまで酸素と栄養素を運んでいるので、大変重要な役割をになっています。
動脈硬化とは
健康な動脈の壁には、弾力性があります。
血液中のコレステロールや中性脂肪が多いと、これらが動脈の壁に付着してたまり、カルシウムが沈着して壁が厚くなり弾力を失います。この状態を「 動脈硬化 」と言います。
動脈の構造
動脈は、内膜、中膜、外膜の3層構造になっています。
内膜は血管内皮細胞、血液と接しています。中膜は血管平滑筋細胞(血管の収縮、弛緩を調節)と弾性板(動脈の弾力性や強靱さを維持)とからなります。外膜には血管自身を養う細動脈、細静脈、リンパ管、神経などがあります。
内膜は血管内皮細胞で覆われ、一酸化窒素(NO)やプロスタグランジンなどの善玉因子を出し、内面に血栓などがつかないような仕組みになっています。
しかし、血中の酸化コレステロール(LDLコレステロール)の増加、血圧が上がるなどで、内皮細胞に傷が着くと、そこに白血球(単球)が付きます。
内皮細胞が剥がれ落ちると、そこへ血小板が集まり血栓を作ります。
また、血管内にコレステロールなどの脂肪が付くと、そこで血流が乱れ血栓ができやすくなります。こうして動脈硬化が進行します。
動脈硬化は、起き方、起きる部分によって下記の3つのタイプに分類されます。
アテローム硬化(粥状硬化)
大動脈、脳動脈、冠動脈などの太い動脈に起こります。
動脈の内側にコレステロールなどの脂肪からできたドロドロの粥状物質がたまり、アテロームプラーク(粥状硬化斑)ができ、次第に肥厚して動脈の内腔を狭めます。
細動脈硬化
高血圧による変化で、脳や腎臓の中の細い動脈に起きやすく、詰まったり血管の壁が破裂して出血したりします。
メンケルベルグ型硬化(中膜硬化)
動脈の中膜にカルシウムがたまって硬くなると中膜がもろくなり、血管壁が破れることがあります。
大動脈、下肢の動脈、頸部の動脈に起こりやすい動脈硬化です。
動脈硬化の予防
- 生活習慣病を防ぐ
- 肥満により内臓脂肪が過剰に貯まると、脂肪を蓄える細胞がうまく働かなくなり、インスリンが効きにくくなるインスリン抵抗性を引き起こします。そうなると、様々な代謝異常を生じ、糖尿病、高血圧、脂質異常症(高脂血症)などの生活習慣病を招くことになります。生活習慣病が重なると動脈硬化の進行が加速してしまいます。
- 内皮細胞を傷つけない
- 内皮細胞を傷つけないためには、血圧を上げない、酸化LDLコレステロールを増やさないようにします。喫煙は、煙に含まれる一酸化炭素が内皮細胞を傷つけ、動脈硬化を促進します。ストレスは、交感神経を刺激して活性酸素を発生しLDLの酸化を促進します。
- 食生活・運動に注意
- 食生活に注意し、ウォーキングなどの運動で、静脈内の血液を心臓まで送り戻し、心臓からの送り出す血液量を増やすことで、血栓の予防になるそうです。
動脈硬化を予防するための生活方法(食生活について)
- 肉類を減らし、青魚を多く食べるようにします。しかし、脂肪の摂り過ぎには注意が必要です。
- 食事は腹八分にします。肥満症は、脂質異常症(高脂血症)を引き起こし、やがて動脈硬化になる心配があります。
- 野菜や海藻類をたくさん摂るようにします。ビタミンやミネラルは動脈硬化を防ぎます。
- アルコールや甘い物は中性脂肪値を高めるので控えめにします。
動脈硬化を予防するための生活方法(運動・睡眠・その他について)
- 適度な運動は、血液中の脂質を低下させ動脈硬化の予防に繋がります。
- 糖尿病、高血圧、脂質異常症(高脂血症)、喫煙などの危険因子に気をつけます。
- ストレスを適度に発散させるために、自分なりのストレス解消法を考えましょう。
- 十分な睡眠をとりましょう。
- 趣味などを持ち、常に頭を使うように心がけると脳血流がよくなります。
- 血圧を定期的にチェックしましょう。
動脈硬化予防のスロージョギング
動脈硬化予防には、スロージョギングが効果的だそうです。鼻歌が歌えるくらい楽なジョギングを1日30分、2週間続けた結果を、ためしてガッテンで放送していました。
スロージョギングなどの有酸素運動をすると、血管の内側の内皮細胞が整列して血流が良くなり、血管を広げる作用がある「NO(一酸化窒素)」という物質がより多く出るようになります。その結果血管の広がりやすさがアップすると考えらるようです。
血管が広がりやすくなれば、血圧が安定して血管を傷つけにくいので、動脈硬化になりにくいそうです。
