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脂質異常症

2008年度から特定健診(メタボ健診)が始まり、脂質異常症に関心が深まりました。 脂質異常 に高血圧、高血糖などが加わると動脈硬化が進み、心臓病や脳卒中を発症する危険が高まり、生活習慣の改善が必要になります。

脂質異常は、どうして身体に悪いのでしょうか。そこを詳しく知ることで生活習慣を変えようという強い動機が生まれてくると思います。


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身体の脂質とは

身体の脂肪は、体脂肪と血液中の脂肪の二つがあります。脂質異常症は、血液中の脂肪の異常を言います。

血液中の脂肪は、肝臓で合成された脂質と食物から取り入れた脂質があります。

コレステロール、中性脂肪の働きなど

脂質には、コレステロールと中性脂肪があります。コレステロールは、細胞の膜やホルモンの材料になります。LDLやHDLによって運ばれます。

中性脂肪(トリグリセライド)は、体を動かすエネルギーとなります。

LDLコレステロール(悪玉)が多すぎるとどうなる

コレステロールは、LDLやHDLのカプセルにのって血液中を運ばれます。LDLコレステロールが多すぎると血管壁に入りこみます。そこへ白血球がやってきて作用すると固まりを作りこぶになります。

ここで、HDLコレステロール(善玉)がたくさんあると、掃除役をしてくれ血管壁の中にできたこぶを小さくすることもできます。

LDLコレステロールが多く、HDLコレステロールが少ないと動脈硬化が進みます。

中性脂肪が多すぎるとどうなる

中性脂肪が多すぎるとHDLコレステロール(善玉)が減ります。そして、小さなLDLコレステロール(悪玉)が作られるので血管壁に入り込みやすくなり酸化されやすくなります。

脂質の目標値は?

HDLコレステロール(善玉)は、40mg/dl以上

中性脂肪は、150mg/dl未満

LDLコレステロール(悪玉)は、140mg/dl未満

心筋梗塞・心臓病の人は LDLコレステロール(悪玉)100mg/dl未満

糖尿病、脳梗塞、閉塞性動脈硬化の人は LDLコレステロール(悪玉)120mg/dl未満

皮下脂肪が多いとどうなる

男性は内蔵脂肪がつきやすく、女性は皮下脂肪がつきやすいと言われます。皮下脂肪が多いと、どういう悪影響が起きるのでしょうか。

皮下脂肪は、レプチン(肥満抑制ホルモン)という物質を作っています。レプチンは脂肪組織と卵胞から分泌され、エネルギーの取り込みと消費に関与し、食欲と代謝に影響する物質です。レプチンが過剰に分泌するとレプチンの働きが悪くなり、月経異常を起こします。血中の高濃度のレプチンが卵巣に直接作用して女性ホルモンの産生を抑えるので、肥満女性では排卵が起きなくなるのです。

また、反対にダイエットのために摂取カロリーが減りやせすぎると、体脂肪の減少以上にレプチンの値が低下し、脳は少ないカロリーで生きられるようにするので、無月経になり、妊娠させなくします。

皮下脂肪もほどほどの厚みが必要なのですね。

肥満から起きる病気

BMIが30を超えると下記の病気に罹りやすくなります。また、若い頃から太っている人は、罹りやすいので要注意です。まず、肥満を少しでも解消していくことが、病気を軽くすることに繋がります。

睡眠時無呼吸症候群
眠っている間に異常な呼吸となって身体に様々な障害がでる病気です。昼間の眠気、いびき、呼吸停止(無呼吸)などがあり、 放置すると糖尿病や脳卒中の原因になることがあります。上気道(空気の通り道)が閉塞することにより起こります。閉塞の原因は、首周りの脂肪の沈着、扁桃肥大、アデノイド、気道へ舌が落ち込む、舌が大きい(巨舌症)、鼻が曲がっているなどがあげられます。太っている、顎が小さい方も起きやすいです。
変形性膝関節症
膝には、体重の何倍もの力がかかります。変形性膝関節症は、加齢、肥満、けがなどにより、関節の軟骨が磨り減り、骨が変形し痛みを生じる病気です。50歳代で発症し、65歳以上で急増するようです。また、男性の2〜4倍女性の方が多い病気です。
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父親が高脂肪食を続けると、娘に糖尿病?

オーストラリアのニューサウスウェールズ大学の成果で、ほ乳類のオスの食事が子孫へ影響することが初めてわかりました。

ネズミを使った研究で、高脂肪食をとり続けた父親の娘は、太っていなくても、血糖値を抑えるインスリンの分泌が少なく、糖尿病に似た症状を示すことがわかりました。

高脂肪のエサを食べたオスの娘は、体重、成長速度、空腹時血糖値は、通常のオスの娘と変わらなかったが、食後の血糖値が下がりにくく、インスリンの分泌が低かった。息子のネズミでは明確な差はみられなかったそうです。

インスリンを分泌する膵臓のランゲルハンス島を調べると、高脂肪のオスの娘は、通常のネズミに比べて2割以上小さかった。ランゲルハンス島の642個の遺伝子の働きも変化していたそうです。

研究チームは、父親の精子のの遺伝子の調節機構が変化し、娘に影響を与えたと推測しています。

20世紀前半のスウェーデンで、豊作の時代に思春期を過ごした男性の孫息子に糖尿病が多発したと報告されている。今回の研究と合わせて考えると、娘を介して糖尿病の素因が孫へ伝わり、糖尿病が多発したと説明でき、興味深い」と、早稲田大・福岡秀興教授(栄養遺伝学)は、話しています。読売新聞、学び、サイエンスから。2010.11

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更新日:2010/11/24