舌の症状
胃腸の調子が悪いと、舌がザラザラしたり、舌先に小さな粒ができたりします。また、舌には、いろんな病気時に出る症状があります。特に色の違いは素人でも判別しやすいものです。
そんな舌の異常な状態を見逃すこと無く、病気の早期発見・早期治療に繋げたいものです。
舌とは
舌とは、物を飲んだり、噛んだり、飲みくだしたり、またしゃべったりする際になくてはならない、味覚や触覚などを持つ、口の中の感覚器のことです。
舌の構造
最表層は、重層扁平上皮に覆われています。舌の下面以外は、舌乳頭と呼ばれる細かい突起が密集し、細かい凸凹構造になっています。
舌 の内部は、粘膜の直下まで、筋肉がびっしりとつまり、表面とのせまい隙間(粘膜固有層)は、その筋層をつつむ強靭な結合組織、舌腱膜になっています。
舌内の筋肉の収縮時には、この舌腱膜を足場にして力を出すそうです。舌の内部全体を満たす舌筋群には、舌の内部だけを走る内舌筋と、舌の外と内部とをつなぐ外舌筋とがあります。
内舌筋は、上下、左右、前後それぞれの方向に走る筋線維が入り混じり、これらが協調して収縮することにより、舌の形を変えたりすることができます。
外舌筋は、舌を外側から支えたり、舌を突き出したり、引っ込めたりする位置の変化をさせたりし、下顎骨、舌骨などから出ています。
舌の表面下には、舌腺などの小唾液腺があり、唾液を分泌しています。
病気時に出る舌の症状
舌には、病気の時に出る症状があります。舌の症状は、鏡を見れば自分自身でも観察できるので、便利です。日頃から自分の舌にも注意して、観察をしたいものです。
白い舌の場合
白い舌になる原因には様々なものがあり、辛い物・熱い物の食べ過ぎや、喫煙などによる舌への刺激、胃や食道の疾患などがあります。肝臓の異変があることがあり、肝臓がんのこともあります。
肝臓にがんができると特殊な物質が出て、舌の乳頭を成長させるので舌全体が白くなってくるそうです。また、皮膚の表面がデコボコになることもあります。また、指にポツポツと小さな粒のようなものがたくさんできることもあります。
しゅうへき舌(ひだ舌)という舌のシワが深い場合、かなり長い期間治らなければ病院を受診します。胃腸が悪い時、舌の使い過ぎ(話す仕事などで)などが原因のこともあるようです。
黒い舌の場合
舌ののある部分に黒いシミが出ます。舌の裏側や側面に出ることもあるようです。これは、副腎の異変がある時に表れます。副腎がんのこともあります。副腎がんになると下垂体からメラニン色素が出るからだそうです。
皮膚がんのメラノーマ時にも、舌や指に黒いシミが出ることがあります。2〜3週間経っても消えない時には、皮膚科科や口腔外科を受診します。
赤い舌の場合
舌の所々に強い赤みが出ることがあります。萎縮性胃炎のことがあります。萎縮性胃炎は、胃のひだが無くなり、胃の粘膜がつるつるになります。50歳以上の人に多く見られます。
舌全体が赤くなるほどに進行すれば、胃がんの疑いとなります。舌が赤くなるのは、ビタミンB12が吸収されなくなり、貧血になります。貧血になると舌が栄養不足になり、乳頭が育たなくなります。そうすると、乳頭の下の血管が見え赤く見えます。
舌の乳頭が縮んで舌がつるんとした状態の場合には、目の下の内側を確認し白いと、委縮性胃炎による悪性の貧血を起こしている場合があります。
まだら舌の場合
舌に赤と白が地図状にまだらに見えることがあります。地図状舌とも言われます。白血球の異変がある時に見られます。嚢胞性乾癬の時にまだら舌が見られます。免疫細胞が暴走し、皮膚に発疹が出、関節の炎症、失明にも至ります。
ドライマウスの時にも、まだら舌が見られます。
舌の周辺に歯形がついている場合
TCHというTooth Contacting Habit 歯をくいしばる癖によって、 舌の周辺に歯形がつくようです。そして、TCHを自覚せずに長く放おっておくと、顎関節症になり口が少ししか開かなくなったり、痛みで寝られなくなったりします。口を閉じている時には、正常の場合には上の歯と下の歯は触ることはありません。
もしも、舌の周辺に歯形がついている場合や歯が触っていると自覚した場合には、意識して歯を離すことです。何かに集中している時やストレスを感じている時によくTCHが出るそうです。
TCHの対策として、前歯の内側に舌の先を着けると良いと聞き、私もこの方法をとっていますが、よさそうです。
舌診(舌の状態を見る)
漢方医は問診、脈診、腹診、髪の毛、耳の形、舌診などを総合して診断します。
舌は常に一定ではなく体調により変化しています。胃腸、水分代謝、血液、心(精神状態やストレス)、病気の進行・深さ、元々の体質、体の寒熱性などの様々な状態を表現しています。
正常な舌
- うす紅色の鮮やかなピンク色
- 苔はうっすらと白くついている程度
- 適度な潤いがある
- 程よい大きさと厚み
- 動きが自由である
血行が悪い人の舌
- 舌の裏側の血管が青筋がたって見える
- 舌の全体が紫色や暗い感じの舌になる
- 舌の端に黒い斑点が出ます。女性の場合は、内膜症の時に出ることもある
元気の源が不足している人の舌
- 舌の表面がつるっとして光る
- 白い苔が舌全体に生える(暖める力の不足、体が冷えやすい、午前中は元気がなく、午後から元気がでる)
潤いの足りない人の舌
- 舌が赤くて口が渇く
- 舌が割れている
体が湿気ている人の舌
- 全体的に白く中央が割れていることもある
体の水分が不足している人の舌
- 全体的に赤く、乾燥した感じの舌になる
- ほてり、のぼせ、不眠、肌が乾燥してかゆいなどの体の症状が出ることがある
舌診(舌の色など)
- 白い舌
- 顔色が悪い、貧血、疲れやすい、食欲不振、寒がり、動くとよけいに疲れるなどの症状があります。
- 白くてなめらかな舌(水分が多い舌)
- 体の冷え、機能低下が考えられます。
- 白くて苔がない舌
- 余分な水分の停滞や内臓の機能低下が考えられます。
- 黄色で乾燥した舌
- 熱により体の水分が消耗している状態。白い苔が黄色に変わったら冷えは解消されたが、体内に熱がこもったなど病気の性質が変わったことを表しています。
舌診(舌の異常な場所から病気を探る)
舌は経路の五臓六腑につながっているそうです。舌の異常のある場所で、内臓の異常がわかります。- 舌の両脇
- 舌の両脇は、肝と胆の異常を表す。ストレスがあると両側が赤くなる
- 舌先
- 舌先は心と肺の異常を表す。睡眠不足、疲労、心の機能の亢進で舌先に突起ができたり、口内炎になったりする
- 舌の中央
- 舌の中央は、脾(消化器全般)と胃の異常を表す
- 舌の奥
- 舌の奥は腎の異常を表す
口舌ジストニア(口から舌が出る)、ストレスから来る病気
50歳代女性は、仕事のストレスから、話そうとすると舌の筋肉が緊張して舌が口から出てしまうようになったそうです。
「口舌ジストニア」は、舌や首、腕などの特定の筋肉が、動作時などに必要以上に緊張して起こる「異常姿勢・異常運動」だそうです。舌筋に強い緊張が起こると、常に、あるいは口を動かした時に「口から舌が出る」状態となるそうです。
治療方法は、少量の局所麻酔薬を舌筋に繰り返し注射して緊張をとるようです。症状が完全に消えた患者さんもいるようです。神経内科など専門家への受診が必要です。
よく似た名前の病気に「口舌ジスキネジア」というのがあるようです。「口舌ジスキネジア」は、口の周りの複数の筋肉が、意思と関係なく勝手に動き、精神科の薬などの副作用としてよく起こるそうです。
「口舌ジスキネジア」の治療は、原因の薬を減らしたり、中止したりします。それでも続く場合は、効果的な薬は少なく治療に難渋するようです。
